俳優・米倉涼子さん
27年間在籍した事務所から独立した米倉涼子さん。新たに設立した個人事務所「Desaf●(iに´(鋭アクセント)付き)o(デサフィオ)」は、「私は挑戦する」を意味するスペイン語だ。それは、米倉さんの生き方そのものともいえる。モデルから女優へ。映像から舞台へ。そして、ブロードウェーの主役へ。より心がときめく方へと、自ら高い目標を定め、クリアし続けてきた。
「決断力のある、強い人のように見えるかもしれませんが、ふだんは食事のメニューも選べないくらい、優柔不断なんです」
そう言って笑う一方、次のような一面もあると明かす。
「挑戦することは好きなんです。挑戦しないと見えない景色や、出会えなかった新しい自分って、必ずあると思うので」
そのことを学んだのは、バレリーナを真剣にめざしていた子ども時代。バレエ団の仲間は全員、友だちでありライバルでもある。
「コールド(群舞)になるか、ソリストになるか、主役になるか。センスや運もありますが、やっぱり努力が一番大事なんですよね。努力しないと、戦う場所にすら立てない。その経験が根っこにあるのかも知れません」
大人になった今も、次に何かをするための稽古をすることは、苦ではない。むしろ、休日にゆっくり過ごすことのほうが苦手なのだという。
「家でダラーッと座っていることは、まずありません。贈り物を買いに行ったり、次の仕事につながる準備をしたりしていることが多いかな。じっと座っていられるのは、せいぜい2時間くらい。最近見始めたNetflixも座って見ていることができないので、ご飯を作りながらとか、ブルブルするエクササイズマシンに乗りながらとか。落ち着きがなくて、一石二鳥が好きなんですよね」
そんな米倉さんにとって、独立という経験は、学びの連続だった。
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