■2014年から5年間の空白期間を経て“復活” 結婚発表直後の山里の一言で決意
元々『たりないふたり』は、自分たちが「たりなくてもいいじゃないか」という思いが根底にありながらも、世の中に自分を合わせなきゃいけないときは、こんな風に擬態してやっていますよ、ということでネタを作っていました。そもそも『たりないふたり』ってユニット名をつけたからかもしれませんが、2人の生き様をネタとして表現することが宿命づけられたように思います。
だからこそ『もっとたりないふたり』でのネタ帳を見せ合う企画もですが、とにかく、2人の内なるものも柔らかい部分もひっくるめて全部吐き出して、エンターテインメントとして昇華するっていうところまで行きついてしまった気がしたんですね。だから、2014年の『たりふた SUMMER JAM '14 ―山里関節祭り―』で一旦終了かなと思ったんです。当時取材していただいた時は、たりないふたりの続編については「2人が40歳になるか、どっちかが結婚するかしたらあるかもですね」と半ば冗談で話させてもらっていたんです。それくらい人生の転機というか、2人に新たな表現したい部分が生まれないとたりふたはできないと思っていたので、結果5年くらい休むことになりました。
そうしたら、19年に山ちゃんの結婚発表がありまして…。この5年間にも若林くんから「山ちゃんとこういう漫才の設定ができないですかね?」みたいな連絡がきたり、山ちゃんからも当然「若林くんは最近、こんな仕事をしているらしいですね」とか探りは入っていたんですけど(笑)。要はお互いずっと意識していたんですね。だから、山ちゃんに「結婚おめでとうございます!」と送ったら、すぐに「これで『たりないふたり』ができますね」と返ってきて。若林くんに「そうやって返ってきたんだよね」と伝えたら「それはやらないとダメでしょう」という連絡がきて、これはもうやるしかないと。やらなくちゃいけないと。謎の義務感に駆られまして(笑)。ただ、2人もすごく忙しいので、かなり強引にスケジュールを調整いただき、唯一あった候補日に、たまたま空いていた会場をおさえる、ということでギリギリで開催が決まりました。
■『たりないふたり』第2章を誓ったライブ ラジオでの場外乱闘に発展した『2020』
『さよなら たりないふたり〜みなとみらいであいましょう〜』では、2人は事前の打ち合わせどころか会うことすらせずに、『もっとたりないふたり』で作った即興漫才をやることにしました。2人とも忙しい上に、ポジション的にもMCが主になってきたので、同じ番組にキャスティングされることもなかなかないので、1年くらい会ってなかったんです。迎えた本番、お客さんの前でネタ作りの打ち合わせをしてから漫才をやりましょう、という企画だったのに、若林くんがほぼいきなりボタンを押して、そのまま完全なアドリブ漫才を始めちゃったんですよ(笑)。我々裏方はパニックでした(笑)。
『さよならたりないふたり』というタイトルには、意味を込めたつもりで…皆さんからしたら「2人はもう『たりないふたり』じゃないでしょ」という気持ちがあったと思うんですね。そこに対するアンサーと、僕としては『たりないふたり』っていうものを「さよならできるのか」というテーマもありまして…。だから、「これで最後」という意味よりは「『たりないふたり』にケリをつけることができるのか?」というのが、このタイトルだったんですね。『さよなら』と銘打って、2人は次のステージにいくべきじゃないかと。
そうしたら漫才の中で、山ちゃんは「自虐じゃない新しい武器を手に入れるんだ」と胸を打たれる誓いを吐露し、若林くんが第2章の始まりを高らかに宣言しました。このきれいな着地をしたところで終わっておけばよかったという話もあるのですが(笑)。「今までみたいに、自分のたりなさを嘆くだけじゃなく、リーダーとして、みんなの期待を背負ってやっていきましょう」という着地でしたからね。じゃあ、そんな2人の生き様・第2章を視聴者の皆さんに見届けてほしい、という思いを込めて『たりないふたり2020』を始めました。で、その結果、まあいろいろありました(笑)。春夏秋と季節ごとに放送する中で漫才の種を見つけ、冬に1本の漫才を披露するというコンセプトだったのですが、起承転結の「転」の秋で2人に亀裂が生まれてしまいました。皆さんからのご批判もいただきましたし…
秋の亀裂に関しては、TBSラジオさんの『水曜JUNK 山里亮太の不毛な議論』で、山ちゃんが不満をぶちまけて、若林くんがニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』で応戦して、それに対して、山ちゃんが再びラジオで反省を述べるという展開がありました。山ちゃんが反省しているラジオを聞いていて「大丈夫かな」と心配になっていたんです。その時、本当に絶妙なタイミングで、若林くんが『不毛な議論』のスタジオに乱入する展開になりました。当然、そんなことを僕が演出できるはずもなく、2人のお互いが自然に吸い寄せあうような関係性で動いていた事態でした。
だから、やっぱり、2人のラジオも含めて作り上げてきたという勝手な意識が、僕の中にもあって。お互いのラジオでお互いのことを話しているということも踏まえて、本当にTBSラジオさん・ニッポン放送さん含めて『たりないふたり』だなと感じていたので、今回プロデューサーの福井の提案で、イベントの後援として両局に入っていただいたことは本当にうれしかったです。一連のすべてが、今回の『明日のたりないふたり』に昇華されると思っていただけたら…というか、昇華されると信じています(笑)。(Part.4『明日のたりないふたり』編に続く)。
◇『さよなら たりないふたり〜みなとみらいであいましょう〜』『たりないふたり2020〜春夏秋冬〜』の春・夏・秋および、放送枠に収まりきらない動画を収めたオリジナル版がHuluにて配信中
■『明日のたりないふたり』
公式ホームページ:https://ift.tt/2To4ea1
配信日時:5月31日 午後6時30分
チケット:一般視聴チケット 3000円(GOTOイベント適用 2400円)
からの記事と詳細 ( 山里&若林『たりないふたり』解散ライブ前の総まとめ 立ち上げ人・安島隆が振り返る【Part.3『さよならたりないふたり』『たりないふたり2020~春夏秋冬~』編】 - ORICON NEWS )
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