最初にこの自動キッチンを導入したのはイスラエルのピザハットだった。
Hyper Robotics
- ハイパーロボティクスのキッチンでは、自律型ロボットを使ってファストフードを作ることができる。
- 幅約12メートルのキッチンにはオーブンや冷凍庫、金属探知機などが入っており、人間の手を必要としない。
- 最初に製造されたキッチンは、イスラエルにあるピザハットの店舗用で、1時間に50枚のピザを作ることができる。
ハイパーロボティクス(Hyper Robotics)は、幅約12メートルのファストフード用キッチンを製造している。その中には人間のスタッフを必要としない完全自律型のロボットが詰め込まれている
ハイパーロボティクスのキッチン。
Hyper Robotics
このコンテナ型キッチンは完全な自律型で、人の手を借りずに、食材の保管、調理の準備、調理、清掃を行うことができる。
ハイパーロボティクスの共同創業者兼CEOのユディ・シャメイ(Udi Shamai)がInsiderに語ったところによると、1台のキッチンを製造するのに1カ月かかるという。同社では1カ月に10台の製造を目指しており、製造はまだ始まったばかりだ。
「どこでも好きな場所に置くことができる」とシャメイは言う。
「巨大な自動販売機のようなものだ」
キッチン内には、自律型の冷凍庫、オーブン、洗浄システムが配置されている
ハイパーロボティクスのキッチンで、ピザが作られている。
Hyper Robotics
ロボットは、冷凍庫から取り出した食材を解凍し、調理して客に提供する。
まず、ピザの生地を伸ばし、それをディスペンサーの下に移してトッピングを乗せていく。そして、ロボットアームでピザを窯の中に入れ、焼き上がったら自律型のカッティングマシンでカットして箱詰めし、客に提供される。
40分ごとに、化学物質が含まれていないオゾン水システムでキッチン全体が洗浄される。これがキッチンを開発する上で最も難しいことだったとシャマイは言う。
「虫も細菌も入ってこれないという点では『防弾仕様』だと言えるだろう」
金属探知機とAIカメラでピザをチェック
ロボットアームがピザの載った鉄板を移動させる。
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AIカメラは、調理されたピザをひとつひとつ撮影し、トッピングが適切か、生地が正しく作られているかをチェックする。この工程をチェックする人間がいないため、これは重要なことだとシャマイは言う。
ピザができあがり、箱詰めされると、異物が入っていないかを確認するために金属探知機でスキャンされる。
ハイパーロボティクスによる第1号のロボットキッチンは、イスラエルにあるピザハットの店舗用に製造された。1時間に50枚のピザを作ることができる
ハイパーロボティクスのキッチンで調理されるピザ。
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当初、ピザを買った人にロボットが作ったとは伝えていなかったが、それを知った客は驚いていたとシャマイは言う。
「ロボットについて聞かれることがあるが、実は我々が口にするほとんどの食品は、工業的に機械で作られている。人々はそれがロボットだと認識していないだけだ」
ハイパーロボティクスは、自律型キッチンでチキンウィング、チーズフィンガー、サラダ、その他のサイドディッシュも生産したいと考えている
ハイパーロボティクスのピザカッター。
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ハイパーロボティクスは2022年6月に、アメリカでも自律型キッチンを発売するという。そのキッチンではチキンウィング、サラダ、チーズフィンガーをはじめ8種類のメニューが作れるようになる。
顧客から作りたい料理についてリクエストがあれば、「いつでもそれに対応したものを組み立てることができる」とシャマイは言う。
これは、作るものによって配置されるロボットが異なる場合があることを意味する。例えば、ハンバーガーを作るキッチンとピザを作るキッチンは違うものになるということだ。
停電すると、キッチン全体が使えなくなる
ハイパーロボティクスのキッチンで、箱詰めされるピザ。
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テクノロジーは必ずしも信頼できるものではない。もしキッチンへの電力供給が停止すると、キッチンは使えなくなる。
故障した場合は、ほとんどのロボットが2台ずつ備わっているため、キッチンはそのまま使うことができるという。ただし、ピザカッターは1台しかないので、これが壊れると大変なことになるとシャマイは言う。修理に1、2時間かかることもあるからだ。
「いろんなことが起こるだろうが、それは普通の店舗でも同じことだ」
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)
からの記事と詳細 ( 完全自動のロボットキッチン、第1号はイスラエルのピザ店…1時間に50枚のピザの製造が可能 - Business Insider Japan )
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