TikTok発の話題商品を次々に発売しているピザハット。同社の真の目的は、単に一過性の話題を生み出すことではなく、未来の顧客とのエンゲージメントを高めることだ。TikTokでアカウントの認知を高め、良質なフォロワーを獲得するには。KGI設定とコンテンツ設計の両面から見る。
近年、日本ピザハット・コーポレーション(横浜市、以下、ピザハット)が斬新な新商品を続々と発売している。フレッシュなパクチーがこれでもかとトッピングされた 「パクチーすぎて草ピザ」や、耳にウインナーを包んだピザにコーヒーソースを敷き詰め、別添えでホイップクリームを付けるという「多分それ違うwwwウインナーコーヒーピザ」などだ。
これらの商品、実はTikTokで視聴者から寄せられたコメントを基に開発された商品だ。
どちらの商品も大好評につき販売期間を延長。パクチーすぎて草ピザは、想定販売量の2倍の売れ行きを記録し、第2弾としてパクチーのトッピングの重量を200%に増量した商品も販売した。企業の本気の“おふざけ”が若年層を中心に受け、インフルエンサーや各種メディアが取り上げるなど、話題を呼んだ。
ピザハットがTikTok公式アカウントを開設したのは、2022年4月。当初は公式アンバサダーのタレントを起用したコンテンツなどで、着実にフォロワーを伸ばしていた。
しかし、3万人を超えたあたりで、徐々にその伸びが止まり始める。その他のコンテンツや投稿頻度を試行錯誤するも、フォロワーが増えなくなっていたという。
課題を抱えた同社は、SNSマーケティング事業を行うLeading communication(東京・渋谷)に依頼し、23年からTikTok公式アカウントの運用を見直した。
結果、取り組み開始から9カ月時点のフォロワー数は、取り組み以前の220%に。数にして9カ月で5万3400人のフォロワーを獲得した。24年6月時点では、14万フォロワーにまで成長している。
では、具体的に同社は何をしたのか。TikTokはフォロワーの獲得が難しいといわれるプラットフォームだが、その中でどのようにフォロワーを増やしているのか。
また、TikTok発のコンテンツから、ピザハットの新規顧客獲得にまでつなげる工夫とは。TikTokの運用に必要な要素を整理したLeading communicationのKPI(重要業績評価指標)ツリーを公開しつつ、施策の詳細を見ていく。
なぜあえてKGIをフォロワー数にしたのか
まず、ピザハットは、TikTok運用のKGI(重要目標達成指標)をフォロワー数にしている。
TikTokは、インプレッションが多い動画であれば、その動画を投稿したアカウントのフォロワー数の多い少ないに関わらず、「おすすめ」フィードに表示される仕組み。フォロワー数ファーストではなく、コンテンツファーストのプラットフォームだ。
それにもかかわらず、フォロワー数をKGIに設定した理由について、Leading communication SNSマーケティング事業部 取締役 事業本部長の井上光氏はこう話す。
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