新型コロナウイルス感染拡大に伴い、車社会の群馬県などの店舗で店員と客の接触が少ないドライブスルーが再評価されている。前橋市では、イタリア料理店がドレッシングを扱う珍しいドライブスルー方式の自動販売機を設置。市内の眼鏡チェーンでもドライブスルー店舗の売れ行きが好調だ。 (市川勘太郎)
「車から降りずに簡単に購入できるのが魅力。コロナ対策にもなる」。イタリア料理店「ピッツェリア・ペスカ!」を運営する「ハワード」の宮崎雄一社長は自信を見せる。
同社はコロナが猛威を振るった昨年四、五月、店舗を休業して売り上げはゼロに。そこで同九月、自宅で食事する人に着目し、販路拡大を狙ってドレッシングの自販機を開発した。ボタンの位置を縦向きにするなど既存の自販機を改良し、購入しやすさを追求。固定客が付き、安定した売り上げがあるという。
前橋市で設立された眼鏡チェーン「JINS(ジンズ)」は二〇一三年四月から、眼鏡を注文して車で受け取れるドライブスルー店舗を市内で展開。コロナが拡大し始めた昨年二〜四月の売り上げは前年同期比十倍だったという。
県統計課によると、二〇年四月三十日現在、総人口の免許取得率は県が72・1%と全国一位。県内では、早くからドライブスルーが根付いてきた。アーミップグループ(前橋市)は同市と高崎市で、ドライブスルーのクリーニング店「コングクリーニング」を計八店舗運営している。
ラーメンチェーン「幸楽苑ホールディングス」(福島県)はテークアウトの需要増を見込み、昨年五月に福島県で四店舗、同七月に群馬県の三店舗でドライブスルーを導入。今年四月現在で宇都宮市など栃木県内にも三店舗ある。
群馬大の小竹裕人准教授(公共政策)は群馬の車社会について「鉄道の敷設に限りがあり、車線数が多い国道の構築が相まって自家用車へ移行した」と指摘。ドライブスルーは「店側に敷地があったからでは。短期的には三密を避けるため増える可能性はある」とみている。
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