佐藤健が主演、大友啓史が監督を務める「るろうに剣心 最終章 The Final」が2021年実写映画No.1スタートを切り、シリーズ累計観客動員数1200万人を超え、現在大ヒット上映中。そして「るろうに剣心 最終章 The Beginning」が6月4日に公開された。映画「るろうに剣心」シリーズの最後を飾る「The Beginning」では、緋村剣心の頬の十字傷にまつわる秘密が明らかに。佐藤が“人斬り抜刀斎”と呼ばれていたかつての剣心を演じ、有村架純がその妻となる雪代巴を演じた。
映画ナタリーでは、妖しい魅力を放つヒロイン・巴に扮した有村にインタビューを実施。「るろ剣」という大人気シリーズへの初参加、さらに原作でも名作と名高いエピソードの実写化に、有村はどう挑んだのか? 佐藤曰く「巴くらいミステリアス」だという有村だが、同役を演じている間はとにかく必死だったそう。また有村が大友や佐藤から受け取ったという、本作に対する熱い思いも明らかに。
取材・文 / 浅見みなほ 撮影 / 入江達也
「The Final」は胸を痛めながら観ました
──まずは4月23日に公開された「るろうに剣心 最終章 The Final」について伺います。雪代巴の敵を討つため、弟の縁が剣心に復讐を行うというストーリーでしたが、巴役の有村さんはどうご覧になりましたか?
「るろうに剣心」の集大成と呼ぶのにふさわしいアクションとストーリーだと思いました。「The Beginning」で私が見てきた大友組とはまったく違う雰囲気の作品です。巴を演じた身としては心苦しいな……と思い、胸を痛めながら縁と剣心の戦いを観ていました(笑)。
──「The Final」で縁を演じた新田真剣佑さんとは直接的な共演シーンはなかったかと思いますが、姉目線でハラハラとご覧になったのでしょうか。
そうですね。新田さんにお会いしたのはイベントのときだけだったので(参照:「るろうに剣心」佐藤健、愛してくれたファンに感謝「寂しさ含め皆様と共有できたら」)、撮影中にはまったくお話する機会がなかったんです。どんなふうに縁を演じられるのかなと思っていたんですが、劇中ではまっすぐに自分のなすべきことに向かう姿が印象的でした。方向がちょっと間違っていたとしても、縁にとってはそれが正義なので、気持ちもわかるというか……。完全な“悪”だとは思えないので、縁も報われてほしいと思いました。
皆さんに付いて行こうと、必死でした
──有村さんがメインヒロインを務めた「るろうに剣心 最終章 The Beginning」は、約10年にわたる映画「るろうに剣心」シリーズの最後を飾る作品です。大人気シリーズへの初参加が決まった際、どんな心境でしたか?
映画「るろうに剣心」は私がこの業界に入ってすぐに始まったシリーズです。学生時代からいち視聴者として佐藤健さんのことを知っていましたし、ほかの作品もいくつも拝見していました。まさか自分が、第一線で活躍されてきた健さんと、こういった人気シリーズでご一緒させていただける日が来るとは到底思っていませんでした。それに巴役について、大友(啓史)監督やプロデューサーさんが「この映画は巴がいないと成り立たない」「僕たちはこのエピソードを映像化することをずっと待ち望んできた」とおっしゃっていました。マネージャーさんからも「これは『るろうに剣心』シリーズでもっとも人気のあるエピソードで、巴はすごく人気のあるキャラクターだよ」と聞きました。もちろんプレッシャーや責任を背負わなければいけないという覚悟のもと参加させていただいたのですが、当時「怖いからやめておこう」という気持ちにはならなくて、「大友さんとまたお仕事ができる」という喜びのほうが大きかったですね。
──大友啓史監督とは、2017年に公開された「3月のライオン」以来のタッグですね。有村さんが「3月のライオン」で気性の激しい香子という難役を見事に演じた経験から、大友監督は「有村さんなら絶対に巴役もできると思った」とおっしゃっていました。
ありがたいです。大友さんは、果てがないというか……いい意味で「こういう画が欲しいんだな」というのがわからない、ゴールの見えない監督です。現場でとにかく役者を試してくれる方という印象ですね。多くの現場を経験させていただく中で、自分が提示したお芝居に対してすぐにOKをいただける機会も増えましたし、お芝居の鮮度を保つため早めにOKを出す監督も多いのですが、大友さんのように突き詰めてくださる方にはなかなか出会えません。大友組では何度も何度もテイクを重ねて、それでもいつも新鮮さがある。「るろうに剣心」でご一緒できると聞いて、また演じながら役をつかんでいくような、楽しい時間になるだろうと感じました。今回もやればやるほど巴という人物が自分の中に流れてくる感覚でした。
──撮影現場で大友監督に取材した際、有村さんのことを「“妖”の魅力がある女優さん」ともお話されていましたよ。
ええ! とんでもないです。
──巴も妖しい色気のある役どころですが、監督とは役作りについて打ち合わせなどあったのでしょうか?
事前にお話があったというよりも、現場でその都度「ここでの気持ちはこうだよね」と共有しながらやらせていただきました。当時は現場の皆さんに付いて行きたいという思いだったので、もう必死だったと言うか……。はい、必死でした(笑)。
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ミステリアスに生きようとは思っていないんです
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