猫を神様として祭った石碑や石像が数多く残る宮城県丸森町に、猫をかたどったピザ窯がある。令和元年の台風19号による土砂崩れで壊れた民家のがれきを再利用し、地元NPOと子供たちがカフェに隣接する広場に作ったものだ。
町内では養蚕が盛んだった時代にネズミから繭を守るため猫を飼う農家が多かった。猫の供養と繭の豊作を願う石碑が80以上、「猫神様」として残るという。
台風とその半年後の新型コロナウイルス感染拡大により町民の交流が減る中、NPO「あぶくまの里山を守る会」の照井良久さん(71)は「子供たちの思い出作りに」とピザ窯を発案。知人が土砂崩れに遭った自宅のがれきを提供してくれ、里山で調達した粘土、わら、竹チップをまぜて成形した。完成した窯は、猫神様にちなみ「ねこ窯様」と名づけた。
不定期のイベントには老若男女問わず町民が集まり、手作りの生地に好みのトッピングをのせて焼いたピザが振る舞われる。
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