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Wednesday, May 1, 2024

幸せピザ 気持ち熱々 職人夢見る 鹿児島の高校生 七尾で炊き出し、200枚「完売」:北陸中日新聞Web - 中日新聞

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被災地でピザづくりに励む東宏樹さん(左)と山崎裕之さん=七尾市中島町小牧で

被災地でピザづくりに励む東宏樹さん(左)と山崎裕之さん=七尾市中島町小牧で

  • 被災地でピザづくりに励む東宏樹さん(左)と山崎裕之さん=七尾市中島町小牧で
  • 集まった人たちの前でピザづくりに励む東さん(右から2人目)と山崎さん(右端)=七尾市中島町小牧で

 七尾市内で3月末にあった炊き出しで高校生の手作りのピザが人気を集めた。腕をふるったのは鹿児島県姶良(あいら)市の当時高校1年だった東宏樹さん(16)。地元のピザ店でアルバイトして技術を習得し、直線距離にして約830キロの遠路を「自腹」で駆け付けた。学んだのは「作る技術より、食べる人を思いやる気持ち」。ピザ職人の夢は七尾で一歩、現実に近づいた。 (斎藤航輝)

 つるんと丸みを帯びた生地を薄く広げ、トマトやチーズを盛り付ける。トラックの荷台に積んだピザ窯で手際良く焼き上げていく。集まった住民らは「もちもち」「めっちゃおいしい」と顔をほころばせた。

 東さんは小学2年のころからピザのおいしさのとりこになり、昨年5月ごろに地元のピザ店でアルバイトを始めた。従業員のまかないを作って腕を磨きつつ、交流サイト(SNS)でピザ好きの人たちと人脈を築いている。

 被災地でピザを振る舞うボランティアへの協力を呼びかける投稿を3月に見つけた。これまでボランティア活動に参加したことはなかったが、「自分が今までやってきたこと、好きなことで困っている人を支援できるなら」と即断。親の同意を得て、春休みの九州旅行の費用として貯金していたというバイト代を交通費に充てて参加した。

 炊き出し前日の3月28日、飛行機に乗り、呼びかけ人でピザづくりが趣味の消防士山崎裕之さん(38)が住む愛知県西尾市の自宅へ。2人で約4時間かけ、24キロの小麦粉を200枚の生地に練り上げた。そのまま移動車に積み込み、道中で生地を熟成させた。

 当日は七尾市中島町小牧の小牧集会所の前でひたすら焼き続けた。気が付けば1時間半ほどで「完売」。一緒に作業した山崎さんは「動き、手さばきが上手。きっといいピザ職人になれる」と太鼓判を押す。

 東さんはそれまでは生地の練り方や加える水、塩の量といった技術の向上に集中してきたという。今回、ピザを受け取った被災者の人たちから感想や感謝の声を直接聞けたことで「食べた人にどう思ってほしいのか、何を伝えたいのかを考えることが大事」と気付いた。「人を幸せにするピザ職人になりたい」との夢に、より実感がこもった。

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