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Thursday, July 11, 2024

もちもち食感の生地がクセになる、自家製ピザ - 朝日新聞デジタル

ssabutkelapa.blogspot.com

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんがリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回教えてもらうのは生地から手作りするピザ。生地をこねる手間がない長時間発酵のレシピなら、初心者でもおいしく作れます。

―― 冷水先生、こんにちは。暑い時期になりましたね。

冷水 今年の夏はそこまで暑くならないといいのですが……(笑)。

―― 暑すぎるのはつらいですが、やっぱり夏はワクワクします。

冷水 そうですね。たくさん食べて元気に過ごしたいですね。

―― 7月、8月は夏休みを取る方も多いと思いますので、何か楽しんで作れるレシピを教えていただきたいなと思っています。

冷水 いいですね! ひとりでも、家族と一緒でも、料理の工程からワクワクできるのは楽しいと思います。

―― どれくらいハードルが高いかわからないのですが……、ピザなんてどうでしょうか⁉︎ 休みになるとピザが食べたくなるんですよね(笑)。

冷水 宅配ピザは手軽でいいですが、自宅で生地から作るピザはすごくおいしいですよ。生地の作り方を工夫すれば、そこまで大変じゃありません。

もちもち食感の生地がクセになる、自家製ピザ
これくらいの状態になったらいったん生地を常温で休ませます。まだ水分が多くて手にくっつきますが、大丈夫です

―― そうなんですか! 夢の自家製ピザ、ぜひ挑戦してみたいです。でも生地をこねたり、結構な力仕事というイメージがあります……。

冷水 生地をしっかりこねて作る場合もありますが、今日は生地をほとんどこねずに作れる長時間発酵のレシピをご紹介したいと思います。時間はかかりますが、冷蔵庫に入れてほぼほったらかしにしておけばいいので、工程としては手軽です。

―― それはありがたいです!

冷水 では、早速生地から作っていきましょう。冷蔵庫で24時間ほど発酵させるので、食べる前日から生地を仕込むのがまず最初のポイントです。

―― はい! 

冷水 ボウルをふたつ用意して、ひとつには強力粉、薄力粉、塩を入れて軽く混ぜます。もうひとつには砂糖とドライイースト、40℃くらいのぬるま湯を入れて混ぜ合わせます。この時、湯の温度に注意してくださいね。温度が低すぎるとイースト菌が活性化せず、高すぎると今度はイースト菌が死んでしまいますので。

―― イーストは生きているんですねぇ……。

もちもち食感の生地がクセになる、自家製ピザ
生地を冷蔵庫で24時間ほど発酵させたら、3等分して丸くまとめます。生地の綴(と)じ目から乾燥しやすいので、手でつまむようにしてしっかりと綴じ、綴じ目を下にして休ませます

冷水 粉類を入れたボウルにイーストなどを入れたボウルの中身を加えて、フォークなどで混ぜます。水分が多くてベタベタしていますが、大丈夫です。全体が混ざったら手で生地をまとめて、ふたつきの密閉容器に入れます。その後はふたをして常温で20分ほど置きます。

―― 思った以上にダラッとした感じの生地ですね……。

冷水 ご心配なく! 20分経ったらふたを開けて、水で濡らしたスケッパーで生地を四つ折りにするような感じでパタンパタンと折り畳んでいきます。その後、またふたをして常温で20分休ませます。

―― この段階でも結構スケッパーにくっつきますね……。

冷水 ご安心ください(笑)。20分経ったら、また同じようにスケッパーで生地を四つ折りにします。ふたをして、今度は冷蔵庫に入れて24時間ほど発酵させます。だんだん発酵が進んで生地が膨らんできますので、途中1〜2回ほど手でパンチングして空気を抜いてください。

―― 生地の成長を見守るのも、楽しい時間ですね。

冷水 発酵の醍醐味ですね。

もちもち食感の生地がクセになる、自家製ピザ
長時間発酵させた生地は弾力があり、麺棒で薄くのばそうと思っても、すぐに元通りになってしまいます。手を使って生地を広げるとやりやすいです

―― (24時間後……)わあ、生地が大きくなって、ベタつきも少なくなっていますね!

冷水 上手に発酵できたようです。今日の分量では3枚のピザ生地が作れますので、容器に入った状態でスケッパーを使って3等分します。その後、手を使ってそれぞれ丸く成形します。

―― 丸パン作りみたいな感じですね。

冷水 このあと常温で休ませるのですが、生地の綴じ目から水分が抜けて乾燥してしまうので、綴じ目を下にしてまな板の上などにおき、ふきんをかけて20〜30分ほど休ませます。

―― この休憩は何のために必要なんですか? もうしっかり発酵していますよね?

冷水 生地を3等分する時に空気が抜けてしまったので、休ませることで発酵を戻すんです。生地を落ち着かせるという意味もあります。

―― 繊細なんですね……。

冷水 ベンチタイムの間にトマトソースを作りましょう。といっても、トマト缶を潰すだけですが(笑)。ホールトマトをボウルに出して、トマトの実をスプーンなどで潰しておいてください。

―― 加熱しなくていいのは、夏にはうれしいですね!

冷水 ベンチタイムが終わったら、強力粉で打ち粉をした台やまな板の上に生地をのせて、好みの厚さになるまでのばしていきます。麺棒を使ってもいいですし、手で引っ張ってのばしてもいいです。

もちもち食感の生地がクセになる、自家製ピザ
生地がこんがりと焼けたら一旦オーブンから取り出し、ししとうと削ったパルミジャーノレジャーノをかけます。EXVオリーブオイルを回しかけて、再度オーブンで2分ほど焼きます

―― ピザ職人のように空中でくるくる回して広げるのは、さすがにできないですね(笑)。

冷水 長時間発酵させた生地は、のばしてもすぐ元に戻ってしまうので、あまり薄くしようと思わなくていいです。もっちり、ふわふわの、やや厚みがあるピザ生地という仕上がりをイメージしてください。

―― わかりました!

冷水 生地の準備ができたら、クッキングシートを敷いた天板にのせて、縁の部分を残してトマトソースを塗ります。手で適当なサイズにちぎったモッツァレラチーズをのせ、EXVオリーブオイルを回しかけます。まずは250℃に予熱したオーブンで8分ほど焼きます。

―― 「まずは」、と言いますと?

冷水 今日はトッピングにししとうをのせるのですが、焦げやすいので途中から焼きます。8分焼いたら一度取り出して、輪切りにしたししとうと削ったパルミジャーノレジャーノをのせて、さらに2分ほど焼いて完成です。

―― モッツァレラとパルミジャーノのダブルチーズ、ぜいたくですね!

冷水 早速焼き立てを召し上がれ。

―― わ〜、生地がふわふわ! パンピザみたいな感じですね。食感はモチっとしていて弾力がすごいです。これは宅配ビザではなかなか味わえない生地感ですね。 

冷水 よかったです。

―― ししとうの苦味がアクセントになっていて、大人っぽい風味なのもいいですね。

冷水 お子さんと食べる場合は、具材を好みに合わせて変えてください。ピザはその自由さが楽しいところなので。

―― 3枚分の生地があるので、それぞれソースやトッピングを変えて楽しむのもいいですね。

冷水 ぜひ色々実験してみてください。

―― 夏休みの自由研究ですね(笑)。

冷水 ふふふ、楽しくておいしい自由研究、ぜひお試しください!

ピザ

材料(3枚分)

    A

  • 強力粉

    175g

  • 薄力粉

    125g

  • 4g

    B

  • ぬるま湯

    210ml

  • 砂糖

    5g

  • ドライイースト

    1.5g

  • トマト缶

    適量

  • モッツァレラチーズ

    3個(ピザ1枚につき1個)

  • ししとう

    24本(ピザ1枚につき8本程度)

  • パルミジャーノレジャーノ

    適量

  • EXVオリーブオイル

    適量

  1. ボウルにBを混ぜ合わせる。別のボウルにAを混ぜ合わせ、Bを加える。フォークなどで混ぜ、少し手でまとめたら密閉容器に入れ、ふたをして常温で20分置く。
  2. 1.の生地を密閉容器に入れたまま濡らしたスケッパーで四つ折りにして、ふたをして20分置く。
  3. 2.の生地を密閉容器に入れたままふたをした状態で冷蔵庫に入れ、24時間おく。途中、1~2回パンチングをして空気を抜く。
  4. 3.の生地を密閉容器に入れたままスケッパーで3等分にする。それぞれの生地を丸くまとめ、生地の綴じ目が下になるようにしてまな板の上やバットの上に置く。ふきんなどをかけて20〜30分ほど休ませる(手や台に生地がくっつく場合は強力粉で打ち粉をする)。
  5. 生地を休ませている間にトマトソースを作る。ボウルにトマト缶を出し、スプーンやすりこぎなどでトマトの実を潰しておく。
  6. 4.の生地を打ち粉をした台に置き、麺棒か手で好みの厚さになるまでのばす。直径25cm程度が目安。
  7. 6.の生地をクッキングシートを敷いた天板にのせ、生地の縁部分を少し残して5.のトマトソースを塗る。上にちぎったモッツァレラをのせ、EXVオリーブオイルをかけて250度に予熱したオーブンで8分ほど焼いてから、1度取り出す。
  8. 7.に輪切りにしたししとうとパルミジャーノレジャーノをかけて再びオーブンで2分ほど焼く。

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