弁護士の野村修也氏は13日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜午後1時55分)に出演し、宅配ピザチェーン大手のドミノ・ピザ(東京・千代田区)の従業員が鼻の穴をほじった指をピザ生地に練り込む様子を撮影し、ネット上で拡散された“バイトテロ”動画について、当該従業員が多額の損害賠償請求を起こされる可能性に言及した。
番組MCのフリーアナウンサー宮根誠司に、従業員が罪に問われる可能性や「簡単に言えば逮捕されますよということでしょ」と問われた野村氏は「すでに(同様の事案で)逮捕されている人もいる。損害賠償の額も限りなく大きくなる可能性がある」と述べた。「(今回の問題で)みんなが信条的に、買うのはいやだなと思う可能性がある。そうなると、売り上げが下がった分はこの人のせいという証明ができれば、それも損害になる。さらにいえば生地の廃棄などの実損外に加え、今後の信頼回復措置もある」と述べ「例えば割引をするからもう1度買ってくださいというキャンペーンをするとすれば、キャンペーンのお金も彼自身の損害賠償の対象になる。数千万の損害賠償は、軽く請求されると考えないといけない」と述べた。
元埼玉県警捜査1課刑事の佐々木成三氏が「警察にドミノピザ側が告訴状や被害届を出すとなった場合は、特定されているし証拠がそろっているので立件できる。そう難しい捜査ではない」と述べると、宮根は「損害賠償請求で、ドミノ・ピザさんが何億円とか下手したら何十億円とやらないと、止まらないのではないか」と問題提起。これに野村氏は「日本では懲罰的な損害賠償はできない」としながらも「因果関係のある損害はかなり広がると思うので、かなりの金額にはなると思う」と述べた。「ネットの管理者の側も、そういう動画に対して何らかの制裁的案措置を科すという仕組みも作らないといけないのでは」とも提案した。
ドミノ・ピザは12日夜、「当社従業員による不適切な行為についてのお詫びとお知らせ」とした文書を公式X(旧ツイッター)にアップ。問題の動画について社内調査を実施したとして「兵庫県尼崎市にある尼崎店のアルバイト従業員により、営業終了後の2月12日午前2時ごろ、同店舗内で撮影されたものと判明しました。動画内で使用された生地は、発酵が完了する前の段階のもので、この後24時間は発酵させる工程があり、まだ使用されていないことを確認しております。当該生地は使用する前に廃棄処分いたしました。また、店舗内の生地をすべて廃棄処分いたしております。さらに当該店舗は、2月12日付けで営業停止しました」と報告した。
また「当該事案に関与した従業員は就業規則に則り、厳正に処分する予定です。あわせて、厳正な法的措置を検討中であることをご報告いたします」と説明。「お客様の皆様におかれましては、ご不快な思いとご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪し、「今後は全社をあげて再発防止と信頼回復に向けて全力で取り組んで参ります」とした。
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