■コルニチョーネは残してはいけないの!?
ナポリピッツァでは耳の部分を「コルニチョーネ(額縁)」と呼びます。そして、よくこの耳の部分を残すのはマナー違反ですか? という質問をされます。結論から先に言ってしまえば、美味しく食べることが最優先なので、お腹いっぱいになって無理をするくらいなら残してもOKです。しかし、マナー違反だということも同時に理解してください。 【画像】さまざまな種類のピザはコルニチョーネを見ればわかる 本場ナポリでも、若い女性がコルニチョーネをすべてカットして、具がのったところだけを食べているのを時々見かけます。しかし、これはとんかつの衣を剥がして、肉だけを食べるような行為です。周りの客や、そのピッツァを焼いた人が良い気分になれないのは言わずもがなです。
■コルニチョーネってなに?
デリバリーピザなどはトッピングが主役で、生地はお皿的な感覚をお持ちの方も多いと思います。また、縁の部分も意図的に盛り上げて作るため、食べてもそこがぶ厚いだけで、具材が乗ってる部分との食感や美味しさの差はほとんどありません。 しかし、ナポリピッツァの作り方は、生地を延ばすときに中央から外側に指で押しながらのばすことで、生地内に溜まっている空気を外側に集めます。焼く前の状態を見ると、中央の部分も縁の部分もほとんど厚みは同じなんです。 そして500度近い薪窯の中に入れることで、縁の中に集まった空気が熱膨張をして膨らんでくるんです。ナイフでカットすると、旨いナポリピッツァは、コルニチョーネに気泡をたっぷり含んでいることが分ります。 ふわっと膨らんだコルニチョーネの食感や味わいと、トッピングの載った薄くてモチモチの部分の食感のコントラストを、バランス良く楽しむのがナポリピッツァの魅力とも言えます。このコルニチョーネを食べ比べてみると自分が好きなピッツァのタイプも分ってくると思います。
■コルニチョーネのタイプ
コルニチョーネにはいくつかのタイプがあります。それについて解説しましょう。 A:伝統的なコルニチョーネ 初めに紹介した、生地を延ばすときに指で生地の中の空気を縁の部分に集めて、窯の中の熱により自然に膨らんだもの。コルニチョーネには触れずに作ります。 表面は美味しいフランスパンのようにしっかり焼けていて、中はふわっもちっとした食感を楽しめます。 B:伝統的なナポリスタイルから日本独自のスタイルに変化したタイプ SAVOY出身の方のお店などがこのタイプです。生地を延ばすときにコルニチョーネをつまみながら、ねじるようにして空気を送り込みながら延ばすスタイル。焼く前から風船ガムのようにコルニチョーネの部分が膨らんでる箇所があり、焼くとそれが膨らんだり弾けたりしして、強めの焦げがアクセントになります。 伝統的なナポリのコルニチョーネに比べると、まるでシュークリームのようにサクッとした食感が強く、指で押すと穴が開くような感じ。食べてみると、サクッふわっとした食感とご飯のお焦げのようなコントラストを楽しめます。 C:コンテンポラニア(デカ縁)のコルニチョーネ 現代ナポリで若者を中心に発展してきた新世代のナポリピッツァが「コンテンポラニア」です。日本では「デカ縁系ピッツァ」と呼ばれ、ナポリNo.1の製粉メーカーCAPUTO社から、コンテンポラニア用の小麦粉「ヌーヴォラ」が発売されたことで、更に勢いを増している新感覚のピッツァです。発酵を分けて水分を多く含んだ生地は縁の部分がスポンジケーキのように膨らむため「デカ縁」と呼ばれています。 食感はまさしくふわふわで、綿菓子のように軽い生地が特徴的。ピッツァとしてはグルメピッツァと呼ばれる、調理に手間暇かけたトッピングを使い、見た目も美しいアートのようなピッツァが多いです。 D:チーズなどを包んでいるコルニチョーネ 日本のデリバリーピザでは縁の部分にチーズを入れたり、ソーセージを入れて「縁まで美味しく食べられる」とPRしているものがあります。日本だけの特殊なものではなく、実は本場のナポリにもこういうピッツァはあります。 縁の部分にリコッタチーズを入れて外側から包んだピッツァや、星の形にして角の部分にリコッタチーズを入れるものなど、日本でもナポリでも縁の部分を残さず食べて欲しいと言う職人達と、縁の部分を残そうとするお客様の攻防戦は万国共通なんですね(笑)。
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